第12章 1年の暦で見る制度
ここまでの章で学んだ制度は、1年のうち決まった時期に動きます。暦に並べると、いつ何を確かめればよいかが見えます。
この章で分かること
標準報酬月額・住民税・年末調整・有給休暇が動く時期。転職する年に何がどの順で切り替わるか。
会社員の1年
| 時期 | 動くこと | 章 |
|---|---|---|
| 毎月 | 給与から社会保険料・所得税・住民税が差し引かれる | 第7章 |
| 4月〜6月 | この3か月の報酬の平均で、標準報酬月額が決まる(定時決定) | 第8章 |
| 6月 | 住民税が新しい年度の額に変わる(6月〜翌年5月の12回) | 第9章 |
| 6月 | 賃金構造基本統計調査が、この月の賃金を調べる | 第10章 |
| 9月 | 新しい標準報酬月額で、健康保険と厚生年金の保険料が変わる | 第8章 |
| 12月(または1月) | 年末調整で1年分の所得税が確定し、差額が精算される | 第9章 |
| 付与日(入社6か月後から毎年) | 年次有給休暇が与えられる。年10日以上なら1年以内に5日を取る | 第6章 |
転職する年
転職する年には、第1部から第4部の制度が順に関わります。
- 入る前:新しい会社の労働条件通知書で、就業場所と業務の変更の範囲、労働時間、賃金を確かめる(第2章)。有期契約なら更新上限の有無を確かめる(第3章)。
- 辞めるとき:退職の申し出から2週間で契約は終わる。残っている有給休暇の日数を確かめる(第6章、第11章)。
- 間があくとき:健康保険は任意継続・国民健康保険・家族の被扶養者のいずれか、年金は国民年金の第1号被保険者に切り替える。仕事を探す間は基本手当の受給要件を確かめる(第11章)。
- 入ってから:前の勤務先の源泉徴収票を新しい勤務先に出し、年末調整を受ける。住民税は前年の所得で決まっているため、転職で年収が変わっても、その年の6月から翌年5月までの額は変わらない(第9章、第11章)。
年収が変わるときの手取りの差は、社会保険料(第8章)と所得税・住民税(第9章)を通して出ます。年収だけでなく手取りで比べるには、手取り計算機を使います。
各章の振り返り
| 部 | 覚えておくこと |
|---|---|
| 序章 | 決まりは法律・就業規則・労働契約の3層。法律が最低基準 |
| 第1部 入る | 労働条件は書面で示される。有期契約は通算5年を超えると無期転換を申し込める |
| 第2部 働く | 法定労働時間は1日8時間・週40時間。残業は36協定が必要で、上限は原則月45時間・年360時間。有給休暇は6か月で10日 |
| 第3部 受け取る | 保険料は標準報酬月額で決まる。所得税は年末調整で確定し、住民税は前年の所得で決まる |
| 第4部 移る | 統計の賃金は残業代と賞与を含まない6月分の平均。退職は申し出から2週間。退職後は健康保険・年金・税が切り替わる |
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手取り計算機 今の年収と転職先の年収の手取りを並べます。
確認の4択
健康保険と厚生年金の保険料が、新しい標準報酬月額に変わるのは何月からですか。
4〜6月の報酬で決まった標準報酬月額が、9月から1年間使われます。
年の途中で転職した人の所得税は、どこで精算するのが原則ですか。
前の勤務先の源泉徴収票を新しい勤務先に出し、前の給与も含めて年末調整を受けます。
住民税が新しい年度の額に変わるのは何月ですか。
住民税は6月から翌年5月まで12回に分けて差し引かれます。
出典
- e-Gov法令検索「労働基準法」
- 全国健康保険協会「令和8年度保険料率のお知らせ」
- 総務省「個人住民税」
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」
- 国税庁 タックスアンサー No.2674「中途就職者の年末調整」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2026年3月24日公表)
- 厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか」
更新:2026年11月4日。この章は一般的な情報で、個別の税務・労務の助言ではありません。