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第7章 給与明細の読み方

給与明細は、第2部で学んだ労働時間と、第8章・第9章で学ぶ社会保険料と税が1枚に集まったものです。

読了約3分|確認の4択3問|更新:2026年11月4日

この章で分かること

総支給額から手取りまでの引き算。毎月の所得税が概算である理由。住民税が前年の所得で決まること。

3つの欄

給与明細は、勤怠・支給・控除の3つの欄に分かれていることが多いです。

欄主な項目
勤怠出勤日数、欠勤日数、時間外労働の時間、有給休暇の取得日数と残日数
支給基本給、各種手当、時間外手当(第5章の割増賃金)、通勤手当。合計が総支給額(いわゆる額面)
控除健康保険料、介護保険料(40〜64歳)、子ども・子育て支援金、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税

総支給額から控除の合計を引いたものが差引支給額で、口座に振り込まれる手取りです。

賃金の支払いの原則

賃金は、通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払わなければなりません(労働基準法第24条)。社会保険料や税のように法令で決まったものや、労使協定で決めたものは、給与から差し引けます。

所得税と住民税の時差

毎月の所得税は、源泉徴収税額表にあてはめた概算で差し引かれます。1年分の正しい税額は、年末調整で配偶者や扶養親族、保険料控除などを反映して確定し、差額が12月か1月の給与で精算されます。

住民税は、前年1月から12月の所得をもとに計算され、会社が毎月の給与から差し引いて市区町村に納めます(特別徴収)。徴収は6月から翌年5月までの12回です。転職や昇給で今年の収入が変わっても、今年引かれる住民税は前年の所得に基づく額です。計算の中身は第9章で扱います。

通勤手当

通勤手当は、非課税限度額の範囲内であれば所得税がかかりません。一方で、社会保険料の計算のもとになる報酬には含まれます(第8章)。実費に応じて払われる通勤手当は、割増賃金の計算のもとからは除かれます(第5章)。同じ手当でも、税・社会保険・割増賃金で扱いが違います。

この章の計算をする

手取り計算機 年収から社会保険料・所得税・住民税を引いた手取りを、円単位で出します。

確認の4択

給与明細の「差引支給額」とは何ですか。

差引支給額が口座に振り込まれる手取りです。

今年引かれている住民税は、いつの所得をもとにしていますか。

住民税は前年の所得で計算され、6月から翌年5月まで12回に分けて給与から差し引かれます。

賃金支払の原則に含まれないものはどれですか。

原則は通貨・直接・全額・毎月1回以上・一定期日です(労働基準法第24条)。

出典

  1. e-Gov法令検索「労働基準法」
  2. 大阪労働局「労働基準関係法令のあらまし(令和8年3月版)」
  3. 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」
  4. 総務省「個人住民税」
  5. 武蔵野市「給与からの住民税特別徴収について」
  6. 厚生労働省 確かめよう労働条件「残業、早出や休日出勤による割増賃金のチェック方法」

更新:2026年11月4日。この章は一般的な情報で、個別の税務・労務の助言ではありません。