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第11章 退職と転職の手続き

辞めるときには、契約の終わり方、雇用保険、健康保険と年金、税の4つが同時に動きます。前の章で学んだ制度が、ここで一度に切り替わります。

読了約4分|確認の4択3問|更新:2026年11月4日

この章で分かること

退職の申し出から契約が終わるまでの期間。基本手当を受けられる条件。退職後の健康保険の3つの選択肢。

辞めるときの決まり

期間の定めのない雇用では、労働者はいつでも解約を申し入れられ、申し入れから2週間で契約が終わります(民法第627条)。就業規則で期間を大きく延ばしたり、会社の許可を条件にしたりする規定は無効とされています。期間の定めのある契約を途中で辞めるには、やむを得ない事由が必要です(民法第628条)。ただし1年を超える契約では、1年を過ぎた日からはいつでも辞められます(労働基準法第137条)。

反対に、使用者が解雇するときは、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を払わなければなりません(労働基準法第20条)。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効です(労働契約法第16条)。

労働者が求めれば、使用者は退職の証明書を遅滞なく交付しなければなりません(労働基準法第22条)。

雇用保険の基本手当

雇用保険の基本手当は、働く意思と能力があるのに仕事に就けない状態の人が、ハローワークで求職の申込みをして受けるものです。

項目内容
受給の要件離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上(倒産・解雇などの特定受給資格者などは、離職の日以前1年間に6か月以上)。賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または80時間以上ある月を1か月と数える
待期受給資格の決定後、失業の状態にあった日が通算7日になるまでは支給されない
給付制限正当な理由のない自己都合退職は、待期の後1か月(令和7年4月1日以後の離職)。5年間に2回以上の自己都合退職で受給資格の決定を受けた場合は3か月。令和7年4月以後に教育訓練等を受けた場合は解除される
基本手当日額離職前6か月の賃金(賞与を除く)を180で割った賃金日額の約50〜80%(60〜64歳は45〜80%)。年齢ごとに上限がある
受給期間原則、離職の翌日から1年間
所定給付日数(特定受給資格者などは年齢と期間により90〜330日)
被保険者であった期間10年未満10年以上20年未満20年以上
一般の離職者(自己都合など)90日120日150日

健康保険と年金の切り替え

退職すると、会社の健康保険の被保険者の資格を失います。次の会社にすぐ入らない場合、選択肢は3つです。

年金は、厚生年金の資格を失い、国民年金の第1号被保険者に切り替わります(次の会社に入るまでの間も同じです)。国民年金の届出が必要です。厚生年金に入っている人に扶養されていた配偶者も、第3号被保険者から第1号被保険者への届出が必要です。

税の精算

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確認の4択

期間の定めのない雇用で、退職を申し入れてから契約が終わるのは何週間後ですか。

民法第627条により、申し入れから2週間で終わります。

令和7年4月1日以後に正当な理由なく自己都合で退職した場合の、基本手当の給付制限は原則どれだけですか。

原則1か月です。5年間に2回以上の自己都合退職で受給資格の決定を受けた場合は3か月です。

協会けんぽの任意継続に入れる期間は最長どれだけですか。

最長2年間です。資格喪失日から20日以内に申し出ます。

出典

  1. e-Gov法令検索「民法」
  2. e-Gov法令検索「労働基準法」
  3. 厚生労働省 確かめよう労働条件「退職、解雇、雇止めなど」
  4. ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
  5. ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
  6. 厚生労働省「令和7年4月から自己都合離職者の給付制限が変わります」
  7. 札幌公共職業安定所「基本手当の支給が始まる時期は」
  8. 全国健康保険協会「任意継続」
  9. 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
  10. 国税庁 タックスアンサー No.2674「中途就職者の年末調整」
  11. 国税庁 タックスアンサー No.1910「中途退職で年末調整を受けていないとき」
  12. 武蔵野市「給与からの住民税特別徴収について」

更新:2026年11月4日。この章は一般的な情報で、個別の税務・労務の助言ではありません。