Veliq Career

第1章 キャリアを形づくる制度の地図

会社で働くことには、法律・就業規則・労働契約の3つの決まりが重なっています。この教科書は、それを雇用関係が進む順に4部に分けて読みます。

読了約3分|確認の4択3問|更新:2026年11月4日

この章で分かること

この教科書の4部がそれぞれ何を扱うか。決まりの3つの層の優先順位。

雇用関係の4つの段階

会社員と会社の関係は、契約を結ぶところから始まり、働き、賃金を受け取り、やがて辞めて次へ移るところで区切りを迎えます。この教科書は、この順に4部を立てています。

部扱うこと主な決まり
第1部 入る労働契約の結び方、明示される労働条件、雇用の形(無期・有期・パート・派遣)労働基準法、労働契約法、パートタイム・有期雇用労働法
第2部 働く労働時間・休憩・休日、残業の上限と割増賃金、年次有給休暇労働基準法
第3部 受け取る給与明細、社会保険料、所得税と住民税健康保険法・厚生年金保険法など、所得税法、地方税法
第4部 移る賃金の相場、退職の申し出、雇用保険の基本手当、保険と税の切り替え民法、雇用保険法、統計法に基づく賃金構造基本統計調査

どの部も、前の部を前提にしています。たとえば第5章の割増賃金は第4章の法定労働時間を超えた分に払われるもので、それが第7章の給与明細の「時間外手当」に載ります。第8章で学ぶ標準報酬月額は、第11章で退職後の任意継続の保険料を決めるもとになります。

決まりの3つの層

働くときの条件は、法律、会社の就業規則、本人と会社の労働契約の3つの層で決まります。

つまり、法律が底を決め、その上に就業規則、さらにその上に個別の契約が乗っています。会社が法律より多い有給休暇を就業規則で定めていれば、その日数が適用されます。

一次情報の探し方

制度は改正されます。この教科書の数字は2026年11月時点で確かめたもので、各章の末尾に出典を載せています。自分で確かめるときは、次の場所が一次情報です。

分野確かめる場所
法律の条文e-Gov法令検索(デジタル庁)
労働時間・休暇・賃金の決まり厚生労働省、都道府県労働局、「確かめよう労働条件」
雇用保険ハローワークインターネットサービス
健康保険・厚生年金全国健康保険協会(協会けんぽ)、日本年金機構
所得税国税庁(タックスアンサー、年末調整のしかた)
住民税総務省、住んでいる市区町村
賃金の統計厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

用語の意味は百科で引けます。各語から、その語を定義している章へ戻れます。

確認の4択

就業規則で定めた労働条件より低い条件を、個別の労働契約で定めた場合はどうなりますか。

労働契約法第12条により、就業規則の基準に達しない部分は無効になり、就業規則の基準によります。

就業規則を作成し、届け出る義務があるのはどの事業場ですか。

労働基準法第89条により、常時10人以上の労働者を使用する事業場に作成と届出の義務があります。

この教科書の第4部「移る」で扱う内容はどれですか。

第4部は賃金の相場、退職の申し出、雇用保険の基本手当、退職後の保険と税の切り替えを扱います。

出典

  1. e-Gov法令検索「労働基準法」
  2. e-Gov法令検索「労働契約法」
  3. 栃木労働局「就業規則の作成・変更・届出の義務(第89条、第90条、第92条)」
  4. 大阪労働局「労働基準関係法令のあらまし(令和8年3月版)」

更新:2026年11月4日。この章は一般的な情報で、個別の税務・労務の助言ではありません。